アイヌ文化の世界観を存分に堪能できる舞踊劇「ロストカムイ」
阿寒湖に来るようになって、アイヌ文化を知るようになりました。
文化を勉強するのはいろいろ難しいことがありますけど、取っ掛かりは単純な感想からでいいのかもしれないですね。
アイヌ文化の装飾品や生活用具類に施された紋様や形がカッコいい。
カッコいいから、もっと知りたくなります。
ただカッコいいだけではなく、それぞれに意味をもっているんだそうです。
紋様の組み合わせはとても複雑で、それを使う目的や使う人によって違ってくるそうです。
装飾品にも様々な意味があるそうです。
これらをすべて理解するのはなかなか大変ですが、考え方のもとを知っているとアイヌ文化がぐっと身近に感じられるようになります。
こちらのサイトはアイヌ文化入門にぴったりです。
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文化や風潮というのは目に見えづらく捉えにくいものですが、芸能で表現されているとさらに感じやすくなります。
阿寒観光協会では、アイヌ文化をもっと知ってほしいという活動が行われています。
その一環で、2019年3月から「ロストカムイ」という舞踊劇の上演が始まっています。
阿寒には、北海道の先住民族アイヌが暮らすコタンがあります。
アイヌコタンでは、伝統的な古式舞踊を体感できる
阿寒湖アイヌシアター「イコロ」を常設。
2019年3月より上演する阿寒ユーカラ「ロストカムイ」は、
デジタルアート、サウンドデザイン、ダンスなど
各分野で注目を集めるクリエイターが阿寒湖に集結し、
古式舞踊、現代舞踊、3DCG、7.1chサラウンドを組み合わせ、
5台のプロジェクターで舞台を立体化し、誕生した新演目です。
舞踊劇なのでストーリーがあります。
演目名となっている「ロストカムイ」は失われた神様、いわゆる絶滅させてしまったエゾオオカミのこと。
その昔、アイヌの人々はエゾオオカミを「ホロケウカムイ」と呼び、カムイの中でもアイヌに狩りを教え、時に助ける特別なカムイとしていました。
その題目をもとに、自然の力を大切にするアイヌ文化が表現されています。
明治に入り、北海道の開拓により獲物のエゾシカが減少し、エゾオオカミは代わりに放牧されたウマを襲うようになったため、1877年に開拓使によって賞金がかけられ駆除が始まった。
新冠牧場においても、オオカミによるウマへの被害が酷かったためエドウィン・ダンの提案により、1879年の夏から秋にかけてストリキニーネを用いた毒餌により駆除が実施された。
また、1879年には大雪によりエゾシカ大量死が起こり、さらにエゾオオカミは追い詰められていった。
奨励策が廃止された1888年までの間に、1,539頭(官庁に駆除されたものも含めると推定2,000-3,000頭)が駆除された。その後、1896年に函館の毛皮商によってエゾオオカミの毛皮数枚が扱われたという記録を最後に確認例がない。
絶滅の原因については、前述の理由以外にも複合要因と推測され、そのひとつに狂犬病やジステンパーが挙げられているが、今となっては科学的な原因解明をした報告はない。
犯してしまった過ちを繰り返したくないものですね。
私はエゾオオカミが存在して時代を体験してはいないのですが、この世の中になくしてしまっていい物はないと思います。
<カント オロワ ヤク サク ノ アランケプ シネプ カ イサム>
役目無く天から降ろされたものは一つもない (アイヌのことわざ)
自然の恩恵に感謝する。
その気持ちを忘れずにいたいなと思うのです。
このロストカムイは考えさせられるだけではなく、観客体験型舞踊劇となっていて、ラストには演者とともにステージに上ってラストを飾ります。
「ロストカムイ」をチラ見できる、ダイジェスト動画です。
観る・感じる・体験する。
様々な楽しみ方ができる「阿寒ユーカラ ロストカムイ」の上演スケジュールは以下のとおりです。
公演チケットは、阿寒湖アイヌシアター「イコロ」で購入できます。
(当日入場券のみ 大人:¥2,200 小学生:¥600)
なお、鶴雅ウイングス、遊久の里鶴雅のフロントでもチケット販売しています。
(ここだけの話ですが、フロント価格10%OFFになっています)
あかん鶴雅の各ホテルでは、鑑賞券付きプランをご用意しています。
アイヌ文化に触れてみたい、阿寒を楽しんでみたい方におすすめしたい内容です。