火山の鉱物が生み出す自然の色。雌阿寒岳の奇跡の場所 「オンネトー・湯の滝」
今も火山活動を続けている雌阿寒岳。
その麓から湧き出す水には、鉄やアルミニウムなどの鉱物の成分が溶けだしているんだそうです。
北海道にはたくさんの火山、湖がありますが、それらは切っても切れない関係があり、その関係性が自然の景観色を作り出しています。
自然は誰が決めたわけでもないのに、こうやって色を作り出し、私たちを楽しませてくれます。
この火山と湖のコラボが作り出す不思議な、それでいて素晴らしい色合いを見ることができるのが「オンネトー(湖)」です。
鶴雅デジタルコンシェルジュの下澤です。
今回は阿寒摩周国立公園・阿寒エリアにあるオンネトー近郊の観光スポットをご紹介しますね。
オンネトーとは
オンネというのは、アイヌ語で「大きな(存在)のもの」「年老いた」という意味です。そして、トーは「湖・沼」を指します。和名にすると「温根湖(沼)」と書きます。ざっくりな意味は「存在感がある湖」って感じです。
そして、この呼名は道内各地にありますが、今回は阿寒エリアにあるオンネトーです。
見るポイントや天気、気候によって湖面の色が少しずつ変わりますが、エメラルドグリーンの色をした湖です。
オンネトーの湖畔は半分が遊歩道、半分が湖畔車道になっていて、ドライブでもハイキングでも両方楽しめる観光スポットです。
ドライブコースでの見どころスポットは4ヶ所ありますが、私が一番気に入ってるのは、湖畔道の奥にあるスポットです。
阿寒湖温泉から車で20分のところにある景勝地 #オンネトー
— 鶴雅デジタルコンシェルジュ (@tsurugaresort) July 28, 2019
湖畔道路沿いに見どころポイントが4つあります。
私は雌阿寒岳と阿寒富士が真正面に見えるこのポイントが好きです。オンネトーパワーが濃いスポットだから😊
湖畔に降りるときは足元に注意が必要ですけど眺めはバッチリ👍#北海道旅行#道東 pic.twitter.com/zoJIEb1uOt
天然マンガンが創り出した黒い滝「湯の滝」
そして、そのさらに奥に進むと林道の入口となる駐車場があり、そこから1.4Kmほど歩いたところに「湯の滝」といわれる黒い滝があります。
雌阿寒岳から湧き出た温泉が流れる滝です。
お湯が流れている部分が黒いのですが、この黒いものの正体はお湯の成分を受け止めている藻が作り出している色なんです。
この湯の滝に流れている成分はマンガンが入っています。もともとマンガンは深海で作られ、地上での採取が難しいとされています。そのマンガンがこの湯の滝で作られています。
陸上でマンガン鉱物が作られる唯一の場所、なんだそうです。
それが判明し、2000年9月6日に「オンネトー湯の滝マンガン酸化物生成地」として国から天然記念物の指定を受けています。
温泉にマンガン成分が溶け出している。
それを藻が受け止めマンガンを溜めている。
溶岩が固まってできた地形がお湯の流れを広げたので、マンガン形成の面積が増えた。自然の偶然が重なって生み出された場所です。
オンネトーを過ぎた奥地にある #湯の滝
— 鶴雅デジタルコンシェルジュ (@tsurugaresort) July 28, 2019
その名の通り、温泉の滝です。ここの地表が黒いのは天然マンガンを含んでいるからで、世界的にも珍しいスポット。
駐車場に車を止めて歩くこと20分強、1.4kmの林道を歩きます。マイナスイオンたっぷりですが、熊よけの鈴の装着など自然対策をしてくださいね。 pic.twitter.com/zzxUoSyrVS
「黒い宝の奇跡だね〜」
7月27日にNHKで放送された「ブラタモリ」でタモリさんが言っていたセリフ。
自然が作り出す景観はまさしく「奇跡」なんだと思うばかりです。
柿色オレンジの湖面が美しい!錦沼
オンネトー近郊に行く際、ぜひとも立ち寄って欲しいのが「錦沼」です。
オンネトーに向かう道路沿いにあり、駐車場がない場所ですが、手前のハイキングコース入口駐車場に停めることができます。
この錦沼の湖底には、褐鉄鉱が沈殿しています。
そのため、水面は柿色のようなオレンジ色です。この錦沼も数少ない生きている鉄鉱床のひとつです。
水面がオレンジだと水が濁っているよう感じますが、水の透明度はかなり高く、浅い沼ということもあって、水底がくっきりと見えます。
エメラルドグリーン・黒・柿色オレンジ。
これだけはっきりとした自然が作り出した色を一度の楽しめるオンネトー。
阿寒湖温泉から車で20分という近さもあって、鶴雅にお泊りのお客様にオススメしたいスポットです。
オンネトー近郊をしっかり楽しみたい方には、鶴雅アドベンチャーベース「SIRI(シリ)」でトレッキングメニューがありますので、ご利用くださいね。
自然たっぷりな阿寒湖温泉、いまが遊びどきですよ^^